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「よるとあさの歌」女にもてたいためにバンドはじめ典型奴が男を好きになる話

何かを新しく始める時の動機は色々あって、やっている人に憧れてとか、それ自体が面白そうだからとか、環境的にやらなければならなかったとか、様々だろう。

この作品の主人公、朝一は女にモテたいという思いからバンドを始める。

よるとあさの歌 (バンブーコミックス Qpaコレクション)

よるとあさの歌 (バンブーコミックス Qpaコレクション)

 

物語序盤のモノローグでも「女にもてたい」、キャラ紹介ページでも「女にもてたいためにバンドはじめ典型奴」と書かれているので、この思いは彼のバンドへの根幹を支える強いものなのだろう。

まぁでも、理由なんてどうでもいいのである。
「いつの時代だって、やる奴はやるし、やらない奴はやらない。」(矢沢永吉)
朝一はやる奴であった。
楽器も弾けない、作詞作曲もできない彼はそれができるバンドメンバーを集め、
学校を卒業をした後もバンドを続ける。女にモテるために。
ヨルの思い出話を聞くに、朝一は自分の役割を果たそうと、場をがんばって盛り上げようとしている。

彼は自分の欲求が何かを見極めて、その実現のために尽力した。
ヨルが彼のことを好きになった、好きで有り続けた理由のひとつとしてそういった彼の姿があるのではないかと思う。
個人的にも朝一のこういった点が好きである。

さて、彼は女にモテたくてバンドを始めたはずなのに、
自分よりもスペックが高い男、ヨルにモテるという状況に陥る。
ここで彼はヨルを拒んで散々ひどい行動をとるわけだが、ここまでヨルを拒む理由の1つにヨルを好きだと認めてしまっては、バンドを始めた理由、今現在続けている理由の1つまでも書き換わってしまうという怖さがあったのではと考える。
物語の最後、ヨルと朝一が共同で曲を作る。
その展開を読むと、朝一はヨルへの気持ちの整理を通して、バンドを続ける理由の1つが変わってもよいと思えた、もしくはバンドを続ける別の理由が見つかったのではないだろうかと考えられる。

「よるとあさの歌」に関するレビューを読むと、朝一が魅力的でないという内容が書かれているものがいくつかあった。
彼のヨルに対する行動はひどいし、魅力的と感じるかどうかは個人の性癖によるところが大きいのでそういった感想がでてくるのも当然だと思う。
し かし、攻めなのにヤクザに尿をかけられていることやヨルとの関係をちゃんと考えていること(コミコミ購入特典でそういう話が出てきます)などを考慮すると、私はどうしても朝一に肩入れしてしまう。そのため、このような記事を書いた。ということで(?)、よるとあさの歌を読まれる方が1人でも増えることを心から祈ります。